Uncertain Odyssey


世界叙情記
by crescentadv
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カテゴリ:アフリカ( 2 )


ソマリアの平穏

ソマリアは、90年代初めから実質的な無政府状態が続いているのだが、当初の何年かは激しい戦闘もあり、それに伴う飢餓が起きたりしたものの、この10年ほどはおおむね平穏な状態が続いている。各地は、クラン(氏族)ごとに支配され、治安が保たれていて、物資も概ね行き渡り、首都のモガディシオでは携帯電話を使い、インターネットをやることもあながち突飛でもなくなっている。
 モガディシオから北東に行った海沿いのエル・マアンは、自由貿易港だ。白い砂浜と青い海が目に染みる、この美しい港には、世界中から物資が集まってくる。アラブ首長国連邦のドバイや、イエメン、インド、東南アジア諸国などから、米や小麦粉、カート、羊、砂糖等々、ほとんどのものが陸揚げされ、ソマリア各地に輸送されているのだという。
 ここで働く男たちも、かなりの重労働だとは思うが、足取りも軽く懸命に働いていた。ここでも武装民兵がパトロールをしていたが、彼らも撮影を拒むこともなく、あまり緊張感はなかった。
 撮影から一週間ほどして、アジアでの大地震から津波が発生し、この美しい砂浜にも押し寄せたと聞いた。あの男たちはどうなったのだろう。生きているのだろうか。人為的に引き起こされたことは、人為的にコントロールできるが、津波のような天災は、どうしようもない。神のみぞ知るである。私には、彼らが無事でいるような気がする。そしてまた彼の地を訪れ、彼らと茶を飲みながら語り合いたいと思っている。
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by crescentadv | 2005-11-28 22:15 | アフリカ

アフリカの角は遙か彼方

アフリカは、長らく私の憧れの大地だった。長すぎた夢想から醒めて、初めて現地に行ったとき、その目的地はソマリアだった。当時の私は、いわゆるニュースカメラマンで、フォトジャーナリズムの世界に飛び込んできたばかりだったし、若くもあったので、ただ必死で、それでいて押さえがたい衝動、快感に近い感覚が沸き起こってくるのを押さえられなかった。ソマリアは当時、世界のトップニュースを連日飾り、紛れもなくホットスポットだった。
 「ブラックホークダウン」という米国映画を記憶している人も多いと思うが、あの当時あの現場に私はいた。あの映画は、米国のプロパガンダではあるけど、ソマリアの雰囲気、空気、そしてソマリアのミリシアの雰囲気を、とてもうまく再現していたと思う。
 そんなソマリアに、今年また行くことが出来た。いまや、完全に忘れ去られた場所。しかし、当時の知人たちと再会し、彼らはとても平穏に楽しそうに生きていた。ソマリアには政府がないのだが、もともとそういうシステムに生きていなかった人たち、社会だ。部族社会が非常に良い形で機能しているという印象を受けた。もっとも、そういうアウトロー国家の存在を、世界システムは容認出来ない。昨年以来再燃した政府再建の動きの中で、ソマリアの情勢にも徐々にではあるが、暗雲が立ちこめてきているようにも感じられた。
 ソマリアの人々の生活がどうなっていくのか、私は非常に関心を持ちながら、推移を見守っている。
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by crescentadv | 2005-11-14 00:08 | アフリカ