Uncertain Odyssey
2007-04-22T18:25:29+09:00
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世界叙情記
Excite Blog
四千年の時を超えて
http://lonegser.exblog.jp/5465707/
2007-04-22T18:25:29+09:00
2007-04-22T18:25:29+09:00
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パレスチナ
イブラーヒームは、今のイラクの出身だが、この地域を広く旅したらしい。最終的になぜこの地で亡くなったのか、私は知らない。妻や息子たちの墓もあるところを見ると、何か特別な地だったのかもしれない。いずれにしても、偉大な預言者として名を残す彼が生きていたのは、四千年も以前の話。それから長い年月が流れ、彼の言葉は明確に残ったが、その言葉を私たちは真に理解してはいない。彼が臨終の地に選んだこの場所で、流血は頻発し、人々はいがみ合い、平和はますます遠い。
イブラーヒームモスクの姿は、見る者に様々なイマジネーションを与えるのだろう。ちなみに、私はいつも何か恐ろしいことが起きる予兆のような、ある意味不吉なヴィジョンを抱きながら、この建物の前に立っている。この建物の中には、何らかの秘密が隠されているが、それが何かは、ほとんどの人は知らない。かつて、イスラエル国防大臣だった人物が、その中をみて、即座に封印を命じたという。何があったのだろう。あるいは、なにもなかったのか。謎が謎を呼び、それが様々な憶測を呼び、風説が流布していく。もしイブラーヒームが今何かをなし得るとしたら、彼は何をするのだろうか。
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天空の彼方を想う
http://lonegser.exblog.jp/5187299/
2007-03-02T17:36:42+09:00
2007-03-02T17:36:42+09:00
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パレスチナ
数千年来、幾多の預言者たちや物事を見極める目を持った人々は、求めるモノが目の前にはないことに気がついていた。と思う。そこには、真実から目を逸らさんがための数多くの障害、誘惑、堕落があり、それらをいかに克服し、その向こう側のはるか高みにある真理に行き着けるのか、それこそが幾多の預言の言わんとすることの主題だと思う。
多くの人たちが、国家や政治、もっと卑小な例でいうと、学校や会社、地域社会の柵に囚われ、いかに周囲と協調していくかに心血を注いでいる。同じように、それぞれの人々が信じている宗教でもそうだ。誰もが型をマスターすることに躍起になり、その実内面は空洞のままだ。恐ろしい空虚が口を開け、そこから抜け出すことは至難の業である。あらゆる柵を捨てて、風の音や空気の匂いに耳を澄まし、それと一体(となるよう努める)ことにより、精神を静かに平穏に保ち、意識を遙かなるアイオーンへと思いを馳せるようにすると、何か違うモノが見え、違うことを感じることが出来る。そうしたときの、私たちの生きる世界のなんと空虚なことか。多くの人が、意味のないことを信じ、それに邁進し、そのために命を枯らしていることか。そこに思考が行き着いたとき、本心では全てがバカらしく思えてくる。とはいえ、この世界に生きている以上、なんらかの折り合いをつけていかなければならないのも、また真である。それが出来ないときには、この肉体を捨て去るしかないのだから。
私たちの周囲には、聖と俗が共存している。分かちがたく混淆しているといったほうがいいかもしれない。そして、多くの人々はそういうことを意識せず、もしかしたら気がつくこともなく、命を終えていくのだろう。ある時、ふとそういう思考に行き着いて、それ以来あらゆる場所で、そういう感覚がわき上がってくるのを感じる。
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預言者たちの足音
http://lonegser.exblog.jp/5134842/
2007-02-18T00:29:17+09:00
2007-02-18T00:29:17+09:00
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パレスチナ
つい先頃も、エルサレムでパレスチナ人たちとイスラエル警察の衝突があった。これは、イスラームの聖地としてのアルアクサーモスク、岩のドームの敷地のすぐ横を、イスラエル側が発掘調査しようとしたことから始まったものだ。この発掘は、ユダヤ人のこの地に対する継続性を明らかにするためだと思われるが、それによってイスラームの聖地を冒涜し、最悪の場合破壊してしまう恐れがあるために、ムスリムたちは反対しているのだ。
それぞれが、勝手な解釈で神を信じ、宗教指導者たちや政治家たちの言葉を妄信することにより、まったく相互理解の余地が狭まっている。非常に危険な状態であるのだが、そのことに気がついている人はどれほどいるのだろう。いや、気がついている人は多いが、この流れを止めるすべを知らないのだと思う。もちろん、私にはどうしていいのかわからない。
私に出来るのは、この地の聖性を、神や預言者たちの息吹を写真に写し撮り、そこにメッセージを託することだけだ。
かつて、預言者イブラヒーム(アブラハム)が神に息子を捧げようとした場所。預言者イエスが真の神の声を伝えたところ。預言者ムハンマドが天に昇った場所。この地には何か重大なメッセージが隠されており、私たちはそれを理解できないのだ。しかし、多くの狂信的な人々や政治家たちが、それを利用して、都合の良いように解釈している。これからもそうだろう。そして、多くの血が流され続けるのだ。
様々な思惑が、この地の張りつめた空気を生み出している。そんな場所から離れ、遠くからエルサレムを見渡すとき、そこには数千年の時を経て流れてくる風、匂い、そしてそれ以上の何かがある。それを確かに感じることができる。戦争になるのも、平穏が訪れるのも、すべてがこの地にかかっている。私は、それを感じ、多くの偉大な預言者たちの息吹を感じながら、これからの未来をオリーブの林の向こうに、地中海の遙か彼方に見ている。
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月の砂漠
http://lonegser.exblog.jp/5034338/
2007-01-25T22:00:16+09:00
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パレスチナ
プラスチックのイスに腰掛けて、水平線に落ちていく大きな太陽を眺めていると、ふと視界の端に大きなものが動くのを感じた。そちらに顔を向けると、なんとラクダがゆっくりとこちらに向かって来るではないか。子供たちが群がり、大人たちは笑いながら遠巻きに眺めている。ここは、砂漠から遠くない、ラクダの世界なんだと改めて認識した。
ラクダがビーチに寝そべり、ラクダ使いのおじさんも物憂げそうな表情で、佇んでいる。その向こうには、いい色に焼けた夕日が落ちていく。なんとも言えない、幻想的な風景だ。何物にも動じないようなラクダのいる景色を見ていると、どこか別の世界に入り込んでしまったかのような錯覚に陥った。
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彼方の未来へ向かって
http://lonegser.exblog.jp/4913611/
2006-12-29T20:59:13+09:00
2006-12-29T20:59:13+09:00
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プライベート
世界的には、相変わらず人間の愚かさや無能さが、世界の多数の人々の平穏を脅かしているが、そういうこともいつまでも続かないと信じて、未来を見据えて行きましょう。
写真は、2006年9月スイスのボー州。パラグライダーで空を飛ぶという、私にとっての新しい世界は、新しい視界を開いてくれたと思います。
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real paradise
http://lonegser.exblog.jp/4713135/
2006-11-19T23:45:44+09:00
2006-11-19T23:45:44+09:00
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パレスチナ
しかし、占領の為にインフラの整備等がなされていないので、排水などが海に流れ込んでいるらしいから、やはり早く占領が終わり、海外の資本が入って美しい環境を保てるようになったらいいと思う。これほどの美しい海でほとんど人がいないのは、奇跡としかいいようがない。行くチャンスがある人は、夏のガザに是非行ってもらいたい。]]>
少年たちの未来
http://lonegser.exblog.jp/4711313/
2006-11-19T19:28:59+09:00
2006-11-19T19:28:59+09:00
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パレスチナ
で、相変わらずパレスチナ。現地の状況は悪化する一方で、あまり明るい材料はないようだけれど、人々は普通の生活を送ろうと努力している。これだけ厳しい中でも、彼らの人間としての尊厳や倫理は失われていないというのは、驚嘆に値すると思う。これがもし日本だったら、社会は崩壊しているかもしれない。
最近は、ガザに行くことが多いのだが、今回は昨年夏のガザの写真。夕暮れのシャティキャンプでは、人々が家々から出てきて、海を望む場所で思い思いに過ごしていることが多い。家族や友人と話し込んだり、漁師が網の手入れをしたり、釣りをしたり、子供たちが水遊びをしたり云々。日中の暑さも和らいできて、一日のうちで一番過ごしやすい時間でもある。この少年も、小さな弟や妹を仕切って、家の近所で遊んでいた。彼の宝物である自転車に乗り、楽しそうに目を輝かすさまは、見ていても気分が和む。彼の態度の落ち着き払った大人びた雰囲気は、パレスチナ人の少年たちの多くに共通するものだが、この彼もそういう点では非常に堂々としていた。
夕日を浴びて遠くを見つめる彼の瞳には、生き生きとした生への渇望と、不確かな未来への大いなる希望が見え隠れしていたように思う。パレスチナの状況がどんなに悪くなろうとも、このような若者が育っていく環境があるかぎり、希望は常にあると私は思う。]]>
無題
http://lonegser.exblog.jp/4548394/
2006-10-22T08:43:37+09:00
2006-10-22T08:43:37+09:00
2006-10-22T08:43:37+09:00
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プライベート
いろいろと思うことなどあるのだが、早朝に久々に写真家などのHPをネットサーフィンしていて、考えさせられることもあったりした。また、写真を撮るとはどういうことなのか、自分は写真家と癒えるのかなども含めて。また、写真家たちは以外にも雄弁であり、ビジネス感覚がある人も少なからずいると、改めて実感。それがいいか悪いかは別として。
私があまりいい印象をもっていなかったある写真家が、日本のある雑誌の廃刊に触れていたブログ。その内容に私は同意した。つまり、部数数千部のしかし歴史もあり、とても重要なテーマを投げかけている雑誌が、経済的な問題から廃刊に追い込まれるのに、それを助ける人が日本にはいないのかという話だ。彼も書いていたが、日本には金持ちは少なからずいるはずだ。金が余っていて、使い方もわからず、貯金が趣味なんていう洒落にもならないことをやっている人間たちも多いようだが、そういう人たちが何故たとえ百万でもいい、出資できないのか。
私は、この仕事で大金持ちになることはないだろうが、しかしたとえば何かの偶然で大金を手にしたとき、意味のあることに使いたいと思う。この感覚を失いたくない。自分とは直接関係のない人やものに対してでも、金を必要としているところに使うのは当然のことだと思うから。というか、金というのは使わなければ存在価値がないと思うから。]]>
砂漠の街での想い
http://lonegser.exblog.jp/3814207/
2006-06-26T18:18:14+09:00
2006-06-26T18:18:14+09:00
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日々の風景
現在、イエスの時代のパレスチナの状況を記した本などを読んでいる。当時の世相と、そこからいかにイエスという人物が現れ、何をしたのか、その後どういう過程でキリスト教が生まれてきたのか、またキリスト教の正統派と異端派は、どう区別されてきたのか、云々。
イエスに限らないが、歴史的に預言者と認められている人々は、多くの場合感覚の優れた人たちだったのだと思う。彼らは現世のあらゆる争いごととその源となっている、民族や言語、文化の違いなどを乗り越えて、遙か高みにある至高の神の国を見通していた。そして、そこに至る道を見いだしていた人たちだ。彼らの発言や行動は、現在の世界でも色あせることなく有効である。かつてないほど有効だといってもいい。そういうものの力を恐れる人々は、それらを神話の世界に落とし込もうとするが、少なからずの人々が、本質に気づいている(あるいは気づきつつある)と私は思う。
今、パレスチナやイラク、アフガニスタン、その他諸々の地域で起きている争いごと、あるいは私たちの周囲で日々起きている、あらゆる些末な争いや不和、反目をみるにつけ、私の精神はかつてない疲労を感じる。多くの人々が、目の前の出来事に心を奪われ、それに対応するだけで精一杯なのである。人間と神のパイプとなり、日常を捨て去り至高の高みへと至った預言者たちの言葉を、一人でも多くの人が心にとめるならば、世界の争いも急速に消滅していくのだろうに、そんなことは実際には起こりそうにない。
私たちは、些末なディテールから目をそらし、この世界にパラレルに現れている本質を見極める努力をするべきだと思う。私が書いていることは、多くの人には意味不明だと思う。それはそうだろう、全ての人に「ピン」とくるのなら、今の世界はもっと平安に満ちているはずだから。
とりあえず、写真をアップできる状況ではないので、今回はとりとめもない想いの一端を書き留めておく。]]>
夕暮れの想い
http://lonegser.exblog.jp/3583286/
2006-05-08T21:29:00+09:00
2006-06-26T17:53:20+09:00
2006-05-08T21:29:38+09:00
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パレスチナ
ガザで起きている事態は、イスラエルの入植地があったときからこうなるだろうと思っていたとおりに推移している。何も驚くべきことではない。しかし、実際にそうなってみると、どうして?とか、何故?とか、問いにもならない問いを発している自分がいる。人間というのは、やはり救いようがないほど愚かなのだろうか? パレスチナの人たちも、その多くは理解していると思う。けれど、一部のアジテーターやイスラエルとの諍いで利益を受けている連中が、ことあるごとに対立を深めている。何がやりきれないかって、それはそういう動きとは関係のない人々の血が流されること。ミサイルが飛び交おうが、何十人死のうが、この地では長い歴史の中で日常茶飯事であったし、今もそれが続いているだけ。でも、何故自分が死ぬのかわからない人が、何の前触れもなく死んでいくのは、やはり耐えられないものだ。
そんな不条理も、何もかもを受け入れて、優しく包み込んでいくのが、ガザの海であり、暖かい砂浜である。夕日に染まるその暖かい砂浜に寝そべり、今日も無事に生きてきたことに感謝している。そして、不運にも死んでいった人々への鎮魂の想いを抱き、彼らの死にはどんな意味があったのか、彼らの家族の思いはどうなのか、などと思いを巡らせているうちに、辺りは少しずつ暗くなってくるのだ。昨年パレスチナに行って以来、コーカサスや欧州やアジアなど、いろんなところに行ってきた。でも、私の想いは、いつもパレスチナをも含む、地中海のあの地域と共にあった。自分の意思とは関係のない、何か根源的な繫がりを感じている。]]>
逆光に霞む哀しみ
http://lonegser.exblog.jp/3078267/
2006-01-24T13:49:56+09:00
2006-01-24T13:51:48+09:00
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パレスチナ
ガザ最南端のラファを昨年訪ねたとき、何度も歩いたエジプト国境沿いの通りにさしかかると、一人の男が私と、同行していたパレスチナ人に向かって何か言いがかりをつけてきた。私の友人と口論になり、男は突然ピストルを抜くと、こちらに突きつけ怒鳴りだした。私の友人も負けずに何かを言っている。相手の男の家族らも出てきて、その場は収まった。
後で聞くと、その男の兄が最近イスラエル軍に射殺されたのだという。彼は、私やその他の外国人が来るのを、度々見ており、またそれを憤りを持って見ていたのだという。その気持ちは、まったく正しいと思うし、私がどんなに彼らが好きで、彼らを家族のように感じていようとも、所詮外国人でありよそ者だということだ。ましてや、ここに来るほとんどの外国人は、金儲けの為に、ニュースの為に、興味本位で来ているのだから、彼らにどう思われようと仕方がない。
後でその男が友人宅を訪ねてきた。話し合い、最後は抱擁して別れた。彼に私はとても親近感を覚え、また彼も私のことを友人から聞いて、意外そうな顔をして、はにかんでいた。腰にピストルは持ってはいたが。
パレスチナの眩しい太陽の裏には、そういう人々のやりきれない気持ちもが、昇華されずに漂っている。そういうところまでも感じて、それと、さらにその先を写真に表現していきたいと思っている。]]>
路上の光景
http://lonegser.exblog.jp/2958744/
2006-01-03T23:06:23+09:00
2006-01-03T23:06:23+09:00
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イラク
ちょうど、シーア派の最大の祭りである、アシューラーの時期だった。カルバラのアル・フセインモスク周辺には、たくさんの巡礼者が集っていた。イランからの巡礼も多く、街は興奮の渦に包まれていた。カルバラを後にしてバグダードへの途上で、人通りの少ない国道沿いにいくつかの土産物屋がひっそりとあった。棗椰子の葉で編んだ帽子や小物入れ、それに各種ドリンクや簡単なスナックを売っていた。が、もちろん地元の人でもあまり通っている気配もなく、店番の少年は、暇そうに横になっていた。私を見て駆け寄ってきたが、買いそうもないと悟るや、すぐに店番に戻っていった。暑い午後の一時であった。イラクというと、どうしても戦乱のイメージが強いのだが、私が思い浮かべる光景はこういった静かなものが多い。また、これらが本来のイラクの姿だと思うし、これこそが長い間続いてきたこの地域の暮らしや空気を伝えている真実だとも思う。あまり冷えていないコーラを飲み、焼けるような空と連なる棗椰子の林を眺め、私は一路バグダードを目指したのだった。]]>
サマーワのカフェにて
http://lonegser.exblog.jp/2936800/
2005-12-30T22:40:43+09:00
2005-12-30T22:40:43+09:00
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crescentadv
イラク
戦争や興味本位のニュースからは、もういい加減に足を洗ってもいいころだ。そういう報道には、多くの人が飽き飽きしているし、そういう報道の影響で、真実はより見えなくなっている。サマーワという、イラクの片田舎の街は、もし自衛隊が行かなければ永久に日本人に知られることもなかっただろう、そんな辺鄙なところである。バグダッドのような都市でもなく、今の戦争やテロなどの舞台になることもなく、人々は戦争の後遺症であるインフラの破壊などに不便な思いをしながらも、平穏に静かに生きている。
昨年サマーワを訪れたとき、人々は戦争も自衛隊も関係なく、それぞれの暮らしに没入していた。夕暮れのカフェには、伝統的なアラブの衣装ガラビーヤを来た人々が集い、静かにお茶を飲んでいた。家族のことや気候や家畜のこと、お祭りなどの行事のことなどを語り合い、お互いの健康を祝し、のんびりと過ごす時間。なんと素晴らしい一時だろうか。こういうのが、本来の人間的な暮らしだと思う。世界を覆う様々な問題に、巻き込まれてはいるのだが、そんなことはどこ吹く風、まるで時間が逆戻りしているかのようなその場の空気に、私はしばし彼らを見つめ、ほとんど撮影もせずに、傍らで煙草を吸っていた。そんな素晴らしい時間。素朴な人々の生活。それがなんとも心地良い。今年ももう終わりだが、来年はイラクはじめ、紛争が続く世界各地に少しでも平穏な日々が戻ってきて欲しいと願う。不条理な戦いとそれによる死。そういうことは起こらないにこしたことはないのだから。]]>
悠久の砂漠にて
http://lonegser.exblog.jp/2917566/
2005-12-27T11:57:50+09:00
2005-12-27T11:58:59+09:00
2005-12-27T11:57:50+09:00
crescentadv
イラク
砂漠に来ると、どうして心が安まるのだろう。一方では、戦争や人々の喧噪やもっと些末なことまで含めた、有無を言わせぬ日常世界が目の前に存在しているのだが、砂漠の現実というのはそれらの生活に迫られた必然とも思える現実を遙かに超越した、真実の現実とでもいうべき、厳粛なものを感じる。
数千年の昔から息づく雰囲気というのか、匂いというのか、そういったものが砂漠には確かに漂っていた。遊牧民たちは、時には国境をも越えて、何ヶ月も歩いて旅をするという。彼らの生き様は、まさに悠久の時の流れに逆らわず、自然体で生きてきた歴史でもあると思える。
人間が多く住む都市では、空気や河の汚れもあるが、それ以上に人間の精神の汚濁は救いようのないほどに深刻になりつつある。だからこそ、人間は時には砂漠に帰るべきなのかもしれない。砂漠にいると、静かで聞こえるのはただ自然のみ。こういうところでかつての預言者たちが啓示を受けたのも、必然であったような気がする。そう納得できるのだ。
今では、こんな砂漠のなかでさえも、完全には自然の流れに身を任すことは容易ではない。人為的な悪の象徴である軍や兵士たちの姿を散見するし、この地が国境や石油施設に近いという理由で、思考を妨げられたりもする。こんな時代に生きる私たちが、自然(神)の声に耳を傾けることは、容易ではないと感じるが、それを少しでも意識したり、気がついた人たちは、もう後戻りは出来ないと思う。
この砂漠が象徴している永遠性は、決しておとぎ話ではないのだから。]]>
フセインのように死ぬ
http://lonegser.exblog.jp/2901578/
2005-12-24T19:53:08+09:00
2005-12-27T11:59:30+09:00
2005-12-24T19:53:08+09:00
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イラク
イラクは、長い間それが禁止されていたせいもあり、先の戦争でサッダーム政権のたがが外れると共に、盛大に復活した。シーア派の人々の感情の爆発とでもいうべき姿は、泣き崩れ、叫び、自らを斬り付けて血を流しながら行進する姿に象徴されるが、そういった視覚的なものの内側には、たんにフセインをみすみす殺されてしまった悲しみや悔やみだけではない、よりおおきな意味があると私は感じた。
常に少数派であり、政治的にも抑圧されてきた人々は、だが今大きな力をてにした。フセイン殉教の受難を自ら体感し、1200年前の灼熱の砂漠へ思いを馳せる人々には、さらなる苦難が待ち受けているような気がするが、フセインの血を受け継いだ人々は、その苦難をもまた乗り越えて未来を見据えて生きていくのだろう。
「アリーのように生き、フセインのように死ぬ」という言葉があるが、この言葉に彼らの精神的な面も含めたものが凝縮されているような気がする。そして、それは何故か海と大陸を隔てた地に生を受けた私の心をも、激しく拍つのだ。
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