Uncertain Odyssey


世界叙情記
by crescentadv
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四千年の時を超えて

 パレスチナのヘブロンにまた行った。ここにはいったい何度来たことか。この古い町を特別な地にしているのは、そこに預言者イブラーヒーム(アブラハム)の墓があるからだ。彼の二人の妻と息子たちの墓もある。それらが、一つの石造りの建物の中に固まってあり、そこはながらくイスラームのモスクとして使われてきたが、今では半分がユダヤ教のシナゴーグとなっている。
 イブラーヒームは、今のイラクの出身だが、この地域を広く旅したらしい。最終的になぜこの地で亡くなったのか、私は知らない。妻や息子たちの墓もあるところを見ると、何か特別な地だったのかもしれない。いずれにしても、偉大な預言者として名を残す彼が生きていたのは、四千年も以前の話。それから長い年月が流れ、彼の言葉は明確に残ったが、その言葉を私たちは真に理解してはいない。彼が臨終の地に選んだこの場所で、流血は頻発し、人々はいがみ合い、平和はますます遠い。
 イブラーヒームモスクの姿は、見る者に様々なイマジネーションを与えるのだろう。ちなみに、私はいつも何か恐ろしいことが起きる予兆のような、ある意味不吉なヴィジョンを抱きながら、この建物の前に立っている。この建物の中には、何らかの秘密が隠されているが、それが何かは、ほとんどの人は知らない。かつて、イスラエル国防大臣だった人物が、その中をみて、即座に封印を命じたという。何があったのだろう。あるいは、なにもなかったのか。謎が謎を呼び、それが様々な憶測を呼び、風説が流布していく。もしイブラーヒームが今何かをなし得るとしたら、彼は何をするのだろうか。
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by crescentadv | 2007-04-22 18:25 | パレスチナ
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