Uncertain Odyssey


世界叙情記
by crescentadv
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夕暮れの想い

長い間、これを書くこともなかった。いろいろな想いがあったが、やはりパレスチナでのあらゆる出来事に、なんともやりきれない想いを抱いていたし、それ以外にも自分自身の生き方や写真の方向性も含めて、いろんな試行錯誤もあった。結局、作品を残すという意味では、まだ大きな前進は見られないが、長い目で見るといろいろと見えてきたこともある。
 ガザで起きている事態は、イスラエルの入植地があったときからこうなるだろうと思っていたとおりに推移している。何も驚くべきことではない。しかし、実際にそうなってみると、どうして?とか、何故?とか、問いにもならない問いを発している自分がいる。人間というのは、やはり救いようがないほど愚かなのだろうか? パレスチナの人たちも、その多くは理解していると思う。けれど、一部のアジテーターやイスラエルとの諍いで利益を受けている連中が、ことあるごとに対立を深めている。何がやりきれないかって、それはそういう動きとは関係のない人々の血が流されること。ミサイルが飛び交おうが、何十人死のうが、この地では長い歴史の中で日常茶飯事であったし、今もそれが続いているだけ。でも、何故自分が死ぬのかわからない人が、何の前触れもなく死んでいくのは、やはり耐えられないものだ。
 そんな不条理も、何もかもを受け入れて、優しく包み込んでいくのが、ガザの海であり、暖かい砂浜である。夕日に染まるその暖かい砂浜に寝そべり、今日も無事に生きてきたことに感謝している。そして、不運にも死んでいった人々への鎮魂の想いを抱き、彼らの死にはどんな意味があったのか、彼らの家族の思いはどうなのか、などと思いを巡らせているうちに、辺りは少しずつ暗くなってくるのだ。昨年パレスチナに行って以来、コーカサスや欧州やアジアなど、いろんなところに行ってきた。でも、私の想いは、いつもパレスチナをも含む、地中海のあの地域と共にあった。自分の意思とは関係のない、何か根源的な繫がりを感じている。
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by crescentadv | 2006-05-08 21:29 | パレスチナ
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