Uncertain Odyssey


世界叙情記
by crescentadv
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静かな日々の中で

ガザの最南端のラファ。そのまた一番外れに近いところに、私の友人アブー・マフムードが住んでいる。彼の家はほんとうにエジプトとの国境近くにあったのだが、それが破壊され、その後移った家も破壊され、今では市内のスタジアムに仮住まいを余儀なくされている。そんな生活もいつまで続くのかわからない。彼自身は、同じような境遇にある人々と、政治的な活動にも関わったり、NGO 的な活動にも身を投じている。
 彼の奥さんは、初めて会ってから3年で、驚くほど老けてしまった。家庭のあらゆる仕事や子供たちのケアなど、全て彼女が背負い込んでいるのだ、それも当然かと思う。
彼らと私との関係も、当初のお互いが気を遣い会い、純粋に互いに好奇心を持ち、またお互いが多少の遠慮があったときから、少しずつ変化してきている。人間の関係とは、そんなものだ。彼らがパレスチナ人で私が日本人ということは、実はあまり意味をなさない。もっとも、日本人だからと、色眼鏡付きで見てくる人もいるし、それは若者の中に時折顕著に見られる。
私自身は、そういったことには出来る限り関わりたくない。アブーマフムードたちといても、多くの場合、静かに彼らの様子を眺めていることが多かった。彼らの状態は、ある意味特殊であり、一方多くのパレスチナ人に共有される不条理を体現している人々でもある。私より3歳ほど年上なだけの彼やその家族の失意の日々は、見ていても辛いものがあるが、彼らも希望をもっているからこそ、生きていられる。そこに、私自身も希望を見いだしているのかもしれない。
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by crescentadv | 2005-12-13 21:19 | パレスチナ
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