Uncertain Odyssey


世界叙情記
by crescentadv
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バグダードのカフェ

イラクは言わずと知れたカフェ文化の根付いたところである。といっても、知らない人の方が多いかも知れないが。
 2003年の戦争の前から、夕方になると、男たちがカフェに集い、シーシャ(水煙草)を吸いながら、トルココーヒーやアラブティーを飲み、友人らと語り合い、テレビで映画を観て、バックギャモンなどのゲームに興じるという光景が繰り広げられていた。そして、それは戦争が終わってからも変わらず続いていた。バグダードのカーディミーヤ地区の市場の一角にあった小さな、そして古いカフェ。ふと足を止めて中をのぞき込んだときに、その古さと独特の味わいのある雰囲気に誘われて、足を踏み入れてしまった。おそらく近所の人たちなのだろうか。店の人も客も、誰もが顔見知りのようなファミリアな雰囲気があり、それがとても暖かく、ゆったりとした空気が漂っていた。ニュース的には、連日のようにテロの報道があり、物々しい雰囲気に包まれた米軍のパトロールが通りを行き交っている中でのことだが、そういった一時的な非日常を少し脇にそれると、こういった長い歴史の流れの延長線上にあるような、人々の生活がある。これは、どんなことがあっても、途切れることなく続いていくたぐいのものだと思う。人々の照れたような、控えめな友好的な態度も心地よく、わけもなく長居してしまったことも記憶に新しい。私にとってのイラクの思い出とは、そういった心地よいものが多い。
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by crescentadv | 2005-12-09 00:03 | イラク
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