Uncertain Odyssey


世界叙情記
by crescentadv
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寛容は滅びるのか

イラクには、マンダエ教という古い宗教があり、バグダードはじめ各地にこの小宗派のコミュニティーが残っている。が、03年のイラク戦争後、彼らのコミュニティーが危機に陥っている。主に、スンニー派の抵抗勢力によると思われる攻撃や嫌がらせに晒され、国外に脱出する人々が急増しているらしいのだ。
 イスラームが多数を占める地域にキリスト教よりも遙か以前からのコミュニティーとして存在し、その宗教の特異性や文化的な貴重さもあり、サッダーム・フセイン時代には保護されていたというそのコミュニティーは、戦争後に偏狭なイスラーム勢力により、絶滅の危機に瀕しているのだ。皮肉なものである。自由の為の戦いだったという米国の主張の矛盾が、ここにも見られる。少数派であるが故に、他の宗教や文化との平和共存を図り、それによって生きながらえてきた人々と文化。それが、なぜ攻撃されるのか。これほどの不条理もないと思う。彼らのところには何度も通い、その結婚式に参列を許されるなど、非常に手厚く迎えてもらったことは、いまだ記憶に新しい。
 私としては、そんな彼らが平和に暮らせることを祈るばかりである。が、日本も本来は、そういう文化面での支援なりを考えた方がいいのになあ、と心から思う。
再びイラクに行くときには、彼らの写真を持って、またチグリス沿いの教会を訪ねたい。人を疑うことを知らないかのような、穏やかな人々にまた会いたい。
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by crescentadv | 2005-11-25 22:41 | イラク
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